Highly Skilled Immigrantでオランダに来た場合の「市民化」ステップ

 

「市民化(Civic Integration)」というのは無理やり英語を日本語訳した感が満載の言葉ですが、Highly Skilled Immigrantでオランダに来ているからといって、無条件に将来にわたってオランダに滞在し、働くことができるというわけではありません。

Highly Skilled Immigrantは、①認証を得た特定の事業者が、②追加のコストを払ってまで EU圏外の人材をどうしてもほしいという場合に用いるビザの手段であり、つまり当該事業者がいらないよといってしまったら、このビザでオランダに来た人は直ちに普通の移民になってしまうということです。普通の移民になるということは、以下の「市民化」プログラムをクリアする必要があります(参照)。Highly Skilled Immigrantであれば以下の二つは免除:

 

There are two different kinds of Civic Integration requirements:

  1. Basic Civic Integration;provisional residence permit (MVV)の前提条件でオランダに来る前に終えていないといけない。highly skilled migrant (partners are also exempt)は免除。 - 参考
  2. Civic Integration according to the 2007 Civic Integration Act:Mooilandで触れているやつ。EU外から来る人は必須。highly skilled migrants and their partnersは免除 - 参考
 一方で、Highly Skilled Immigrantでオランダでの勤務を順調に続けていたとしても、unconditional right of residence in the Netherlandsになるのは別の話で、以下の三つをクリアする必要があります:
  1. Five years of living in the Netherlands, while continuously being in the possession of a valid residence permit; the current residence permit has to be for what's called a "non-temporary" purpose (so not, for instance, as a student or in conjunction with an exchange programme).
  2. Having a sufficient, stable income.
  3. Passing the "inburgeringsexamen", which you can sign up to take by using your DigiD at https://inburgeren.nl/.
Unconditional right of residence を取得すると以下の利点があります:
  1. You are allowed to work wherever you like, in employment or self-employment, or not to work if you choose not to.
  2. You are entitled to any and all forms of social assistance that Dutch nationals are entitled to.
  3. You are entitled to statutory tuition at Dutch universities, the same amount as what EU citizens pay.
  4. What’s more (at least with the newfangled LTR status), you have the right to completely move away from the Netherlands for a certain period of time (up to 12 months to a non-EU country, 6 years to an EU country) and retain an unconditional right to return and work. There are also certain, limited rights of mobility to most other EU countries attached to the LTR status.

データエンジニアリングという職種

データ分析作業の80%はデータの準備に費やされるといわれている。昨今のAIブームで、データ分析の華やかな部分に光があたりがちだが、実際に機械に物事を判断させるためには、非常に多くの労力をデータをキレイにする作業に費やさなければならない。

そこでデータエンジニアリング(Data Engineering)というあたらしい職種が生まれた。こういった職種が生まれたこと自体、データ分析の価値・期待値があがったことを示していて、誰かに相当なお金を払ってでも、四六時中データをキレイにする作業をしてほしいと思うぐらいデータ分析が重要視されているということだ。

データエンジニアリング職がカバーする業務範囲は、会社の規模により異なる事が多いようだが、この記事の記述が非常に参考になる。

https://www.cio.com/article/3292983/what-is-a-data-engineer.html

Type 1: Generalist 小規模の企業に見られ、データの収集・クレンジングだけでなく、分析まで行う

Type 2: Pipeline centric 中規模企業で見られ、データアナリストと協業しながら、分析に必要なデータを供給・クレンジングする「パイプライン」を構築する

Type 3: Database centric データを格納するデータウェアハウスを構築・管理し、具体的にはテーブル・スキーマを管理する

うちの場合は、Type2と3を両方やっている。業務の住み分けとしては正しいことをやっていると思うが、いつでも課題になるのが、データアナリストとデータエンジニアのどっちがパイプラインを作って、どっちがビジネスロジックを作るか。これは永遠に解消できない課題で、かつ明確な切り分けはできないだろう。私見では、切り分けが難しいグレーゾーンはやれる人が自発的にやる、がよいと思う。

日本の仕事紹介サイトでもちらほら記述は見かけるので、ニーズは増えているようですが、いまや世界中で有能なデータエンジニアの争奪戦が繰り広げられ始めた。

ひさしぶりにPython

ひさしぶりにPythonを使い始めた。
現在の業務は、5割がコーディングで残りの5割が会議、資料作成。
コーディングの5割りのうち、4割がSQLで残りの1割がTableauのダッシュボード作製というところ。
実はRやPythonを使ったいわゆる「データサイエンティスト」的な作業はほぼやっていない。とはいえ、この作業配分はうちの会社に限らずだいたいこのようなものだと思う。コンサルティング会社のときにクライアント企業のデータ分析部門(というものもほぼなかった)や現在の会社で300通以上の履歴書を見て、面接して情報収集する中で得た感触なのでほぼ間違いない。
よくいうように、データ分析の仕事の8割がdata wranglingに費やされることを考えると、データ分析者の作業時間の割り振りはこのようなものである。またデータ分析結果に基づいてアクションを起こすのはデータ分析者でなく、セールスやファイナンスといったビジネスユーザー部門であることももうひとつの要因であり、彼らが求めているのは通常「今何が起きているか」を把握するためのDescriptive analysisであり、「何が起きるか」を把握するPredictive analysisや、「何をすべきか」を把握するPrescriptive analysisは技術的にできても求められないというのが実情である。

さて、そんな中で久しぶりにPythonを使ったのは、インターンで来ている子が作ったレストランのセグメンテーションのプログラムを引き継ぐことになったからである。夏場彼は論文作成の最終段階にかかるので、インターンの作業ができない、そのため引き継ぐことになった。
おおよそ3年ぶりに使うPythonPythonの便利ツールAnacondaは相当進化していて、もはや無料ツールとは思えない操作のしやすさである。ライブラリの追加も黒いComand promptの画面からやらないでいいし。

彼曰く、オランダの大学のデータ分析研究室においては、9割の人がPythonユーザーで残り1割がRユーザー。確実に世の中の主流はPythonになりつつある。私も時代に乗り遅れないようにPythonを学んでおこう。

Money 20/20

先月、オンライン決済に関するイベントがあったので行って来ました。Pay palやAdyenといったオンライン決済に関する企業が一同に会するため、今後のオンライン決済の動向をしるためには絶好の機会です。
様々なプレゼンテーションや起業の担当者との会話を踏まえて感じたのは以下の三点です。

1.世界は急速にオフライン決済からオンライン決済へしているものの、一方でみんなが同じような問題を抱えている

 

現金によるオフライン決済からオンライン決済に移行するメリットのひとつが金銭詐欺(Fraud)の防止です。 

現金取引が関わる限り、決済がデータで記録されない部分が生じてしまうため、店舗と消費者が結託して架空 の取引を作製し、支払に不正に入手した現金を用い、資金洗浄を行うマネーロンダリングの温床となってしま います。
国際的に資金の出所を明確化するような税務上の強化が進む中、企業としてもマネーロンダリングにもてあそ ばれないための様々な工夫をする必要があり、そうなると現金取引は最小限にとどめておきたいところです。
そうするとオンライン決済は取引の全容がデータで把握されるため、マネーロンダリングの入り込む余地を皆無にすることができるため非常に優れた決済手段です。
しかしながら、オンライン決済が金銭詐欺に対する完璧な解決策となるかというとそうではないため、データを活用した金銭詐欺検知のソリューションがたくさん提案されていました。
もっとも多く見受けられるのが、機械学習を用いた不正パターンの統計処理による検知ツールで、データ分析によりビッグデータの中から異常値を見つけ出そうというアイデアです。
一方で、それらのツールには①導入に時間がかかる②一件あたりの処理時間が増加するため、顧客にストレスを与える という欠点があるため、結局のところ最もメジャーな不正検知手段はビジネスルールによる異常値判定です。
これは、単純に「取引金額が10万円以上だったら異常、10万円以下なら正常」というルールを当てはめ、異常を検知するものです。業務知見に基づき、ルールは設定され、また単純なルールであればIT処理の負荷もあまりないため、処理時間を増加することなく導入が可能なため、いまだに最も一般的な不正検知手法として用いられています。オンライン決済が普及してきているいまであっても、主流はいまもこういった旧来の不正検知手法であり、機械学習などのいわゆるAIをもちいた処理が一般化するのはまだ先のようです。

2.オンラインベンダーは雨後のたけのこ状態

オンライン決済手段は有名どころのPaypalを筆頭に、中国のAlipay、アップルのApple pay、アマゾンのAmazon Pay、あるいは仮想通貨を用いたBit payなど様々な手段が登場しています。消費者にたくさんのオンライン決 済手段が生まれる一方で、商品・サービスを販売・提供する企業側は消費者が用いたオンライン決済手段とは別の決済手段でお金を受け取りたいというニーズがあり、また企業側が使いたいオンライン決済手段も多数あるため、支払と受け取りのオンライン決済手段はN:Nの関係性があります。
このNとNをつなぐ役目がアグリゲーター(Aggregator)あるいはアクワイヤラ(Acquirer)とよばれる企業が果たしている部分で、オランダのAdyenや米国のStripeやFirst dataが消費者には見えない裏舞台で活躍しています。実はこれが非常に大きなビジネスになる分野、既になっている分野で、既にコモディティしていて、各社サービスの充実度、コストなどを差別化して世界の覇権を今争っているところで
す。
欧州においてはStripeはさほど目立てていないためか、Stripeは会場で最もお金がかかりそうな「ビーチ付き」の場所にブースをだして、来場者に優位性を積極的にアピールしていました。
一方で欧州の覇者のAdyenは参加すらしておらず、逆に余裕を感じさせました。

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オンライン決済プレーヤーの種別と役割
3.日本勢はほぼ皆無の中一人目立ったソフトバンクビジョンファンド

日本出身の私としては、日本企業に是非頑張ってもらいたいなと思っているところなのですが、日本勢のプレゼンスはほぼ皆無。JCBと東京都Fintech課の方がブースを出していましたが、プレゼンテーションはソフトバンク一社のみでした。しかしながらソフトバンクのプレゼンテーションは最も大きいメインステージでかなりの人の注目を集めていました。
ソフトバンクが他社と違うのは、彼ら自身はオンライン決済ベンダーではなく、「投資家」として登場しているところ。これは私が見た中ではソフトバンク一社だけでした。こういったセミナーにおいて確実にプレゼンスを見せておくソフトバンクのしたたかさと、目の付け所が先を行っているところは一般的な日本企業にはないところであり、非常に関心しました。

 

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payment players

 

データ分析チームの話

ブログのタイトルに「アムステルダムからデータ分析で・・・」などと書いている割には、あまりデータ分析について触れていなかったので、触れることにする。

現在、わたしのチームは私を含めて11名。出身国別の内訳は以下の通り。

オランダ:3 中国:3 トルコ:2 インド:1 キルギスタン:1 日本:1

他にもイスラエルの分析メンバーを助けたりしているので、結構な多国籍ぶりである。データ分析という業種の好きなところは、出身がどのような地域や文化であっても、以下の理由により一緒に働くことが容易であることだ

①世界中でスキルが標準化されている

②プログラミング、あるいは分析結果の読み取りには言語の壁がほぼないので、一程度の英語ができれば、結果を出しやすい

クラウド環境のおかげで、地理的制約を受けにくい

これがセールスやマーケティングとなると、どうしても言語や地域ごとの特色の影響を受けやすくなるのでどうしてもローカルの人材が必要になる。

さてそのことがもう一つの面白い現象を起こしていて、その時々の政治・社会の情勢に応じて、結構な規模感で人材が国際的に動き回っている。

インド人データ分析者の動き

例えばいまは米国のトランプ政権によって、外国人労働者を少なくして、国内の人材になるべく雇用を優先的に割り当てようといういわば「地産地消」の方針が打ち出されている。結果として、2000年代に大量に米国に移住したインド系エンジニアたちが働き口を米国から欧州に求めて移動している動きがある。これを後押しするもう一つの理由が米国の異常なまでの生活コスト高。例えばニューヨークのマンハッタンや、サンフランシスコでは月のアパート代が最低4000ドルというからすさまじい。それで住めるのはワンルームマンションなので、家族持ちには到底不十分。

中国人データ分析者の動き

ウチのチームに三人中国人データ分析者がいるが、優秀度合いは半端ない。しかも英語もできる。彼らはまず歴史的に世界中に親せきがいて、家族間のつながりが密なので、世界的に均等に分布しているイメージがある。もちろん米国に移住する人たちは多いが、欧州にもたくさんの中国の方々が居住している。なので、あまり時々の情勢で大陸間を移動するようなことはせず、欧州なら欧州に定住している。今後テンセントやアリババが中国国外でも大きくなる可能性が高いので、様子見、ということもあろう。

トルコ人データ分析者の動き

興味深いのはトルコ系。トルコの政局は近頃不安定でエルドアン大統領が強引な政策をとっているのに嫌気をさして、国外に働き口を求める優秀な人材が結構多い。それでいて単価も欧州の7割ぐらいだから、本来であれば日本政府はこういう人たちを積極的に誘致すべきである。

トルコ系データ分析者の人たちは歴史的にドイツをはじめとした欧州に親戚が多くいるので、そのつてで欧州、およびオランダに来ている人は結構いる。

ブラジル系データ分析者の動き

ウチのチームにブラジル人のひとはいないが、会社にはブラジル出身の優秀な人は結構いて、またウチのチームに応募してくるブラジル人の人も結構いる。彼らがオランダに職を求める動機はトルコ人に似ていて国内の問題が理由だが、政治ではなく経済の悪化が原因である。ブラジルはオリンピック・ワールドカップ以降急速に経済が悪化しているため、優秀な人材でもいい職に就きにくくなっている。そのためオランダを始めといて欧州に職を求めに来ている。ポルトガル語と英語はできるが、ポルトガルは経済規模が小さいの英語でいけてインターナショナルな企業が多いオランダ、という思考回路だ。

日本人データ分析者の動き

最後に興味深いのが日本人データ分析者の動きで動きは全くゼロ。この一年半で300件ぐらい履歴書を見たと思うが、日本人の応募は一件のみ。日本人のデータ分析者はおそらく、海外でチャレンジできるオポチュニティがあるとすら思わないのだろう。自分もそうだったから確信があるが、もうすこし日本人データ分析者も国際化してほしいものである。

 

National Nederlanden

National Nederlandenという名目で、引き落としが結構ある。
最初は税金の引き落としかなと思っていたが、実はそうではないということが判明。
National Nederlandenとは、実はオランダ最大の金融企業で、傘下にABN AMRO insurance, Movir, AZL, BeFrank, OHRA, NN Investment Partnersを持っているらしい。
さらに、わたしのメインバンクINGは、National Nederlanden傘下ではないものの、提携しており、Non-life insurance(=非生命保険)はINGブランドの元National Nederlandenが実際は提供しているらしい。
なので、わたしの損害賠償保険保険(Aansprakelijkheidsverzekering)と家財保険(Woonverzekering)はINGで契約したものの、引き落としはNational Nederlandenの名称となっていた。

実は日本でも手広く商売をしていて、「エヌエヌ生命保険株式会社」というのはこの人たちらしい。

確定申告

オランダ生活も丸一年が経過し、新しい年の開始とともに去年とは違ったイベントが続々と出てきます。
今年はじめの難関は確定申告。オランダに丸一年居住しているかしていないか、などの条件により提出するフォームが分かれるのですが、
2018年の途中からオランダに居住を開始した私の場合「M form」を提出する必要があるようです。

M form: For those who arrived in the Netherlands during the year and became a resident or for those who were a resident and
left the Netherlands during the year.

わたしのような会社から給与をもらう形式の場合、日本で会社員として勤務するのと同様、税務署から確定申告の提出を促す書類は自動的に は送付されてきません。

申告はオランダの電子政府プログラムのDigiDでできるというので、自分でやろうと意気込んでいたところ、送付されてきた書類の量に愕然
。当然すべてオランダ語で記載されているので、というか日本語で記載されていたところで処理不可能なボリュームかつ複雑度。

早々に自分でやるのを諦め、Tax advisorに依頼することにしました。オランダには私のようなExpatが沢山いるので、Expat向けの税務申告
サービスも充実していて価格もお手ごろだということが分かりました。結局、値段が安く、万が一対面で相談する場合に場所が近いここに決定。

https://www.dutchtaxreturns.nl/

自分の分175EUR + 奥さん(無収入)EUR40で計215EURで、しかも2週間程度で処理が完了しました。やり取りは全てメールで、指示された書類(給与明細、その他株などの昨年の通算損益金額)を送るだけ。結局2500EUR程度の金額が7月に戻ってくるということでした。