project.amsterdam

アムステルダムのデータ分析の仕事を偶然見つけた、「project.amsterdam」の2018年版が開始されました。

project.amsterdam

 

3/5に公開され、4/15まで応募を受けてつけているそうです。人材を募集 する企業側は、全部で10社Q(Adyen、BTC.com、Dimebox、 Effectory、Elsevier、Flow Traders、Mollie Payments、Optiver、Picnic、Takeaway.com)がエントリーしており、software engineers、data analysts、PHP developers、data engineers、other ICT expertsと いった職種が応募の対象です。

前回のproject.amsterdamで一緒だった人がAdyenに入社していたので、Adyenには以前から興味を持っており、また最近色々なところでも先進的な決済サービスプロバイダとして名前を聞くようになったので、調べてみました。

特徴1:お店側・エンドユーザーの支払い手段を選ばない

例えばPaypalでは、お店側がPaypalのみで決済を行っている場合、商品を購入するエンドユーザー側もそれに併せてPaypalで支払を行わなければいけません。一方でAdyenは、お店側とエンドユーザー側をつなぐプラットフォームを柔軟にし、エンドユーザー側がPaypal以外の決済手段も選ぶことができようにすることで、決済手段の自由度を高めています。

150以上の通貨と200以上の決済方法を採用しているということで、その柔軟性が評価されて、eBayが決済サービスをPayPalからAdyenに段階的移行するという方針転換を発表して話題になりました。

eBayのような大企業になるともはやお店というレベルではないですが、数百にもなる異なる決済手段で行われた取引を一元管理できて、即座に収益を確認できることは大きなメリットになります。

特徴2:お店が持つ既存のシステムからの変更が不要

Adyenはお店側とエンドユーザーをつなぐプラットフォームを提供しますが、そのプラットフォームに接続する際はAdyenが提供するAPIを介するのみです。つまり、クレジットカードで支払を行う際のように、ウェブサイトで商品の購入を「決定」した後に、クレジットカード会社の決済画面に飛ぶ、ということはなく、お店のウェブサイトの中で支払が完了します。

このことは、エンドユーザーの顧客体験が向上するということよりも、お店側にとって、決済に関するシステムの改修が極端に少なくてすむというメリットが大きな意味を持ちます。

特徴3:不正管理機能が強固

様々な種類の決済履歴データを保持することから、競合他社よりも高い精度で、不正の疑いが強い取引を特定することができるそうです。昨今タックスヘイヴン関連の事件で、世界的に脱税やテロ組織への送金の取り締まり強化が各国中央銀行から求められているため、不正な取引の防止を求めるニーズが世界中で高まっており、そこに強みを持つことはAdyenにとって追い風となりえます。

特徴4 :黒字

2011年から黒字経営を続けており、その収益性が評価され、シリコンバレーベンチャーキャピタルIconiq Capitalから投資をうけています。$1Bを超える未公開企業に冠されるユニコーンとしても注目を集めています。2016年に売上が727M USDで、取扱額は90B USDと年々拡大しています。

すでに決済分野で支配的になっているPaypalに加え、Square、Stripe、iZettle、Klarnaといったところが今後の国際的な電子決済市場における競合と目されており、次世代の決済プラットフォームの支配権をめぐる争いが激しくなっています。