組織文化の構築

組織文化の構築はすごく難しい。私も小規模ながらチームを司るマネジャーの身。そして急激な環境の変化から、恥ずかしながら少なくない退職者を出してしまったことがある。

中でも最も痛かったのは、マネジャーの喪失。4人いたマネジャーが全員退職あるいは社内移籍。

さらにはプランBとして期待していた若手のリーダー候補が転職。つまり幹部候補が全員いなくなってしまった。

残るはマネジメント志望のないエンジニア勢ばかり。さてこの劣勢からどうやって状況を改善していくか。

参考になりそうなのがGoodpatch(グッドパッチ) 成長の壁の乗り越え方の事例である。

https://business.nikkei.com/atcl/seminar/19nv/120500136/062800788/

以下抜粋:

いきなり全社の組織風土を変えるのは難しいと考え、マネジャーに「小さなチームの中だけでも何でも言える環境にしてほしい」と伝えた。

 マネジャーは「こんなチームにしていきたい」と目指す方向を示しつつ、メンバーと積極的にコミュニケーションを図った。相変わらず離職者は多かったものの、社内の空気は少しずつ良くなっていった。

人事を任された柳沢和徹(かずゆき)経営企画室長が真っ先に取り組んだのは、退職が決まっている社員へのインタビューだった。「退職理由や会社の駄目なところを聞いた。本音かは分からないが、組織崩壊の原因らしき片鱗は見えた」。圧倒的なコミュニケーション不足だ。

そこで18年からさまざまな仕組みを導入した。まず1つ目が全社総会のリニューアルだ。従来はオフィス内で実施していたが、しゃれた雰囲気の会場でセレモニー感を打ち出したイベントに変更。社員のモチベーションを高めるため、MVPを大々的に表彰した。

 

 2つ目に、従業員同士の交流を目的とした、毎月の社内イベント「ピザパッチ」の内容を刷新した。参加者が減り、盛り上がりに欠けていたからだ。

 単にピザと飲み物を並べて、「よかったら来て」では集まらない。そこで参加したくなる仕掛けを用意した。たこ焼き大会や豪華ゲストと土屋社長のトークセッション、「株主に聞く、グッドパッチに出資した理由」、流しそうめん大会など、趣向を凝らした。さらに毎回、参加率と満足度を測定し、参加者からのフィードバックを受けて内容の改善につなげた。

組織崩壊状態から脱するのに最大の鍵となったのは、バリューの再構築だ。機が熟したと考えた土屋社長は、社員に再構築を提案。有志メンバーを募り、プロジェクトを始動した。全社ワークショップも開始し、議論と検討を重ね、5つのバリューをつくり上げた。

 これを絵に描いた餅にしてはいけないと浸透にも力を注いだ。マネジャー向け研修などを実施したほか、毎月全社員が集まる機会に浸透度合いを必ずチェックした。

「バリューは抽象的な概念なので、可視化することが大事だと考えた」(経営企画室PR/PXグループの高野葉子氏)からだ。努力の結果、浸透度は半年ほどで目標の80%に到達した。

 

つまりは

①組織内のコミュニケーションを改善し、問題点がトップに滞りなくフィードバックされる場・プロセスを設ける

②メンバーが評価されていることを感じられる月次の表彰の場や、Teamsの一体感を高めるイベントを設ける

③バリュー・ビジョンをチーム一体となって作り上げ、その過程にメンバーを巻き込むことで、ビジョンを共有する。決してトップだけで決めたトップダウンのビジョンであってはならない。

 

③はリーダーシップ研修でも触れられることが多いこと。しかし抽象的な概念なので、いまいち自分自身が理解できないでいた。うちでいうなら

「Get Our Foundation Strong」というGoalに対し、「じゃあそれが実現できたのはどういう状態?」というのを箇条書きで書き出していくべきである。その過程にメンバーが携わることで、ビジョンが共有され、中長期的に何をすればいいか皆がわかっていくはずである。

キーポイントは具体的かつ簡潔なビジョンであること。例えば「KPIが定義され、全ての社内のレポーティングがそれ従っている」 

悪い例は「Profitabilityの改善にデータで貢献する」これだと何を実現したら成功なのかわからない。Success Criteriaが設定できない。